AIが接客する時代の商品ページ|売り文句より「店にしか書けない情報」を
楽天市場では、店舗ごとの商品知識や接客のノウハウを生かして、AIがお客様を案内する構想が語られています。
その中で、商品ページにどれだけ商品の説明や背景、店舗の思いが書かれているかが重要になる、という考え方が示されました。
今回は、AIが接客を担う時代に向けて、商品ページに何を書いておくべきかを、一般的な内容として整理します。
AIは店舗が残した言葉をもとに語る
AIがお客様に商品を案内するとき、手がかりになるのは、商品ページなどに書かれた情報です。
店舗独自の情報が少なければ、AIはインターネット上の一般的な情報をもとに案内するしかありません。
つまり、店舗が残している言葉の量と質が、そのまま接客の質につながっていく可能性があります。
こうした機能の内容や提供時期は、今後の公式の案内で確認してください。
売り文句だらけのページになりやすい理由
売り文句は効果が見えやすい
「今だけ」「送料無料」「ポイント○倍」といった言葉は、書いてすぐに反応が見えやすい言葉です。
一方、商品の背景や使い方の工夫を丁寧に書いても、すぐに売上が大きく伸びるとは限りません。
人は効果がすぐ見えるものを優先しがちです。
書くことがないと思い込んでいる
仕入れた商品や、どこでも売っている型番の商品を扱っていると、「自社が語れることは何もない」と感じがちです。
しかし多くの場合、書くことがないのではなく、書くことを探していないだけです。
ほかの店の真似で書けてしまう
売り文句は、上位の店のページを参考にすれば、それらしく書けてしまいます。
ところが同じ言葉を並べると、お客様からはどの店も同じに見え、最後は価格とポイントの勝負になってしまいます。
美術館の解説のたとえ
同じ一枚の絵でも、題名と作者名だけの札の前では、多くの人が数秒で通り過ぎます。
ところが、その絵が描かれた背景を解説されると、人は足を止めて、もう一度絵を見つめ直します。
絵は何も変わっていないのに、語られた言葉によって見え方が変わるのです。
AIがこの解説員の役を担うようになったとき、資料が売り文句の数行しかなければ、語れることはほとんどありません。
店にしか書けない情報とは
メーカーの説明やスペックは、どの店でも同じものが手に入ります。
差がつくのは、その上に店舗が重ねた情報です。
・その商品を扱うことにした理由
・実際に使ってみて気づいたこと
・よくいただく質問と、その答え
・向いている人と、向いていない人
・手入れの方法や、使い方でよくある失敗
こうした情報は、その商品に向き合った店舗にしか書けません。
売り文句をなくす必要はない
セール価格やポイントの案内は、お客様の背中を押す大切な情報です。
また、長い文章を書けば必ず売れるというわけでもありません。
読みにくい長文は、かえって読み飛ばされます。
大切なのは、売り文句を入口にして、その奥に店舗にしか語れない情報を、読みやすく整理して置いておくことです。
今日からできること
主力商品一つで理由を書く
まずは主力商品を一つ選び、なぜその商品を扱っているのかを自社の言葉で書いてみます。
きれいな文章でなくても、ページの奥行きは大きく変わります。
話せることを棚卸しする
素材、作られている場所、手入れの仕方など、商品について人に話せることを書き出します。
小さな情報の積み重ねが、その店舗ならではの資料になります。
少しずつ書き足して育てる
季節が変われば使い方も変わり、新しい質問も生まれます。
そのたびに少しずつ書き足していくことで、ページは育っていきます。
おわりに
売り場の形は、検索で探す時代から、AIに相談して選ぶ時代へと少しずつ変わっていくのかもしれません。
それでも、お客様が最後に信頼するのは、この店は商品のことをよく知っている、という手応えです。
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